不動産売買の「契約不適合責任」で本当に知っておくべき5つの意外なポイント

不動産取引のパラダイムシフト
「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
【これまで】2020年3月まで
瑕疵担保責任
(かしたんぽせきにん)
(かしたんぽせきにん)
基準:「隠れた欠陥」の有無
「欠陥があるから責任を負う」
➡
【これから】2020年4月以降
契約不適合責任
(けいやくふてきごうせきにん)
(けいやくふてきごうせきにん)
基準:「契約内容」との違い
「約束と違うから責任を負う」
(債務不履行)
(債務不履行)
名前が変わっただけではありません。責任の考え方が根本から変わりました。
知っておくべき5つの重要ポイントを解説します。
1.問題は「欠陥」ではなく「契約との違い」
新しいルールでは、引き渡された物件が契約書で約束した内容と合っているかが全てです。
具体的には、以下の3つの要素が契約と適合しているか判断されます。
種類
品質
数量
2.買主にはレストランのような「4つの権利」がある
契約内容と違う物件が引き渡された場合、買主は主に4つの権利を行使できます。
これは、レストランで注文と違う料理が出てきた時と同じように考えると分かりやすいです。
🍽️ レストランでの例え
「注文と違うので、作り直してください」
「作り直せないなら、料金を安くして」
「お腹を壊したので、治療費を払って」
(店側に過失がある場合)
(店側に過失がある場合)
「こんな料理じゃ食事にならない。帰る!」
(目的が達成できない場合)
(目的が達成できない場合)
🏠 不動産取引での権利
1. 履行の追完請求
修理や代替物の引渡しを求める。
2. 代金減額請求
修理に応じない場合などに、代金を減額させる。
3. 損害賠償請求
不適合が原因で損害が出た場合。
(売主の過失が必要)
(売主の過失が必要)
4. 契約の解除
不適合が重大で、購入目的が達成できない場合。
3.「1年以内」のルールは、実はほとんど適用されない
民法の原則は「知ってから1年」ですが、実際の取引では契約書の「特約」が優先されます。
売主が誰かによって、期間は大きく異なります。
【参考】民法の原則
(あまり使われない)
(あまり使われない)
パターンA:
売主が個人の場合(特約)
売主が個人の場合(特約)
↑ 非常に短い期間に設定されることが多いです
パターンB:
売主が不動産会社の場合
売主が不動産会社の場合
↑ 宅建業法により、買主が手厚く保護されます
4.土地の面積不足も「契約不適合」になる
以前は別のルールでしたが、改正後は土地の「数量不足」も契約不適合の対象です。
登記簿の面積と実際の面積が違うことはよくあります。
登記簿面積
100㎡
100㎡
≠
実測面積
95㎡しかない!
95㎡しかない!
重要:トラブルを避けるため、「登記簿売買(実測との差を問わない)」のか、「実測売買(差額を精算する)」のかを契約書で明確にする必要があります。
5.売主の最強の防御策は「正直に話すこと」
売主が責任を回避する最も有効な手段は、知っている不具合を隠さず伝えることです。
買主が不具合を「知って」契約した場合、それは「契約内容(合意した品質)」となるからです。
雨漏りがある
設備が古い
シロアリの履歴
物件状況等報告書
(告知書)
(告知書)
正直に書く
契約不適合責任は
発生しない!
(合意した内容だから)
発生しない!
(合意した内容だから)
※隠していた(知っていたのに言わなかった)場合は、重い責任を負うことになります。
結論:「隠れた欠陥」探しから、「契約書という約束」の確認へ。
契約不適合責任への移行は、当事者間の公平性とコミュニケーションをより重視する考え方への転換です。
明確な「契約書」と誠実な「情報開示」こそが、安心な不動産取引の土台となります。

